先日、『発達障害&グレーゾーンの中高生の育て方』(井上雅彦監修・すばる舎)を読んだ。

発達障害やグレーゾーンの子どもたちへの支援に携わる者として、多くの気づきを得ることができた一冊だった。

「できない」のではなく「やり方がわからない」

本書を読んで改めて感じたのは、発達障害やグレーゾーンの子どもたちは決して能力が低いわけではないということだ。

周囲からは、

「やる気がない」
「努力不足だ」
「もっと頑張ればできるはずだ」

と見られてしまうことがある。

しかし実際には、

「何から始めればよいかわからない」
「手順を整理できない」
「見通しが立たず不安になる」

といった特性によって、本来持っている力を発揮できないことが少なくない。

これは私が日々関わる不登校や発達障害の子どもたちにも共通して見られる姿である。

中学生になると困りごとは複雑になる

小学生の頃は周囲の大人が手厚く支援してくれる。

しかし中学生になると、

  • 定期テスト
  • 高校受験
  • 進路選択
  • 人間関係の変化

など、一気に求められることが増える。

その結果、小学校では目立たなかった困難さが表面化することもある。

本書は中高生という時期特有の課題について、具体例を交えながら解説している点が印象的だった。

強みに目を向ける視点

特に共感したのは、苦手な部分を矯正することだけに支援の目的を置いていない点である。

発達障害支援というと、どうしても課題や困りごとに目が向きがちだ。

しかし本人の得意なことや興味関心、成功体験に目を向けることも同じくらい重要である。

これはソーシャルワークでいうストレングスアプローチと重なる考え方だ。

子どもが持つ力を発見し、それを活かしながら成長を支えていく姿勢が大切なのだと改めて感じた。

保護者だけで抱え込まない

発達障害やグレーゾーンの子どもを育てる保護者は、多くの不安や悩みを抱えている。

学校との関係。
勉強への不安。
進路選択。
将来の自立。

どれも簡単に答えが出る問題ではない。

だからこそ、保護者だけで抱え込むのではなく、学校や相談機関、医療機関、放課後等デイサービス、学習塾などの社会資源を活用することが重要になる。

支援は家庭だけで行うものではない。

地域全体で支えるという視点が必要だと感じる。

おわりに

本書は発達障害やグレーゾーンの中高生を育てる保護者だけでなく、教育や福祉に関わる支援者にも参考になる一冊だった。

子どもたちは一人ひとり異なる。

だからこそ「みんなと同じ」を求めるのではなく、その子らしい成長を支えることが重要である。

私自身もフリースクールや学習支援の現場で、一人ひとりの強みに目を向けながら関わっていきたいと思う。