理系の塾長が作ったこんな塾エコールカプリス

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『若者たちの生きづらさ』を読むべき理由


若者たちの「生きづらさ」に寄り添う~本『若者たちの生きづらさ』を読んで~

こんにちは!エコールカプリス塾長の白石です。今日は、石垣琢磨さん編集の『若者たちの生きづらさ-不確実なこの社会でいかに伴走するか』という本を紹介する。現代の若者が抱える不安や孤立にどう寄り添うかがテーマのこの本は、日々生徒と向き合う私にとって、心に刺さる内容ばかりだった。

本書では、若者たちが「自己責任論」や「社会的なプレッシャー」に押しつぶされ、孤立していく現実が描かれている。そうした中で支援者がすべきことは、「答えを与えること」ではなく「伴走すること」だと繰り返し強調されている。一緒に悩み、一緒に歩む存在がいるだけで、若者たちは一歩ずつ前に進む力を持てるというのだ。私の塾でも、生徒一人ひとりのペースに合わせ、まずは「安心できる居場所」を作ることを大事にしている。この本を読んで、その取り組みをさらに深めたいと思った。

実は、夏休みにこんなことがありました。英語が苦手で、定期テストでも20点だった生徒が、英検3級に挑戦したいと言ってきた。ただ、正直なところ、最初はほとんど基礎が身についていない状態で、本人も「無理かも」と諦めかけていた。でも、この本に書かれている「一緒に伴走する」という言葉の通り、私も覚悟を決めて指導した。夏休みということもあって毎日5時間、一緒に英語の問題を解き、文法を教え、リスニングの練習にも付き合った。途中で挫けそうになる彼女を励ましながら、少しずつ「わかる感覚」を積み重ねていった。そして、夏休み明けには、見事英検3級に合格したのだ。彼女の笑顔は今でも忘れられない。

この経験を通じて感じたのは、「小さな成功体験の積み重ね」がいかに大きな自信につながるかということである。本書にも、社会とのつながりを失った若者が、小さな一歩を積み重ねることで再び希望を見出す事例が紹介されている。この話を読んで、私の夏の経験とも重なり、改めて伴走することの大切さを実感した。

『若者たちの生きづらさ』は、若者の支援に携わる方だけでなく、教育関係者や親御さんにもおすすめである。この本を読んで、私の塾でも「安心できる場所」であり続けたい。そして、勉強を通じて生徒たちの未来に少しでも力を与えられるような塾でありたい。

それではまた次回の記事で会いしましょう!アディオス!


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